(関西医科大学医学部リハビリテーション医学講座 教授)
あなたの施設のマイAIを作ります
リハビリテーション治療は、動作分析に基づいて、運動療法や装具療法などが展開されます。
そのアプローチは施設によって多様性があり、したがって、施設ごとに求められる評価データは異なってきます。アニマでは、施設に合わせたマイAIシステム作りをサポートします。
リハビリテーション評価における AIシステムの役割
アニマでは、人工知能(AI)技術を用いたリハビリテーション評価の臨床応用に関する研究開発を行っています。この技術を使うことで、治療方針決定のために有効なパラメーターを動作分析データの中から選び出し、どのような治療方法を目の前の患者さんに選択するべきかという情報を得ることができます。これによって、人間をサポートする知的システム(IA:知能増幅器(Intelligence Amplifier))を構築することを目標としています。
AIシステムの特徴
近年、あらゆる分野でAI(人工知能)を利用したデータ活用が広がっています。医療分野についても例外ではありません。例えば、画像診断で病巣部位を予測したり、疾患名を予測したりするシステムが研究されています。
リハビリテーション領域においてもAIの研究が行われていますが、他の医学領域と異なる特徴があります。例えばリハビリテーション医療では、病名を診断するというよりは、病態の把握や治療方針の決定が重要な課題となります。
将来、なにができるようになるか?
リハビリテーションでは、来られる患者様の疾患や病態ごとに評価したい内容が変わります。そのため、より多くの疾患や介入方法に対して、これらの方法で評価していく必要があります。このようにして、リハビリテーションの医学において人間をサポートする知的システムの構築(IA:知能増幅器(Intelligence Amplifier)) を目標としています。
AIシステムに必要なものは?
アニマ株式会社では1、2、4を提供可能です。
また、共同研究により取得した評価データを組み込んだソフトウェアも提供可能です。
図1 重要なパラメータ候補の選択と予測
具体的には次のような方法で重要なパラメーターの候補の選択と、予測を行っています。
- 医療機器から出力される任意のパラメーター群を選ぶ
- 選ばれたパラメーターに対して健常動作からのずれの大きさを計算する
- 健常動作からのずれの大きさと疾患の重症度の間の相関係数を計算する
- パラメーター群を変更させて、相関係数が1に近づくようなものを選ぶ
装具の評価
この手法を利用して、装具の評価に利用可能であるかを調べました。三次元動作分析装置を利用して、裸足歩行から靴べら式短下肢装具(SHB)とゲイトソリューション(GS)装具のどちらが適合する可能性が高いかの予測を行いました。具体的には次のような作業を繰り返し、SHBとGS装具のどちらが適合する可能性が高いかに影響を与えるパラメーターを選択しました。選ばれたパラメーターは下の表のようなものです。これらの多くは下腿の回旋に関わるパラメーターが多く選択されていることが分かります。下腿の回旋が適切に行われないと、GSのメリットが生かせないことを考えると、これらのパラメーターは妥当なものであると思われます。実際に被験者のデータで、このことを確認することができました。