カメラと床反力計とを組み合わせると?
床反力計は、動作時の力を計測することができます。また、三次元動作分析装置(カメラ)では、動作時の各関節の位置や関節角度を計測することができます。
この床反力計からの力と、カメラから得られる関節位置とで、目では見ることのできない各関節(股関節、膝関節、足関節)に加わる力(関節モーメント)を計算することができます。
カメラ計測の長所・短所とは?
三次元動作分析の方式として、カメラ(反射マーカ)を使用した計測(赤外線反射方式)以外にも、ジャイロ(角速度)センサ、加速度センサを使用した機械式、磁気式、または、マーカレス等、さまざまな方式があります。
赤外線反射方式の動作分析装置は、三次元の位置データの取得が可能、位置や角度等の高い計測精度、拡張性が良い(他機器との同期)、被験者に対する負担(拘束)が少ない(反射マーカが軽量)、システムの使い勝手等の観点から主流になっています。
しかし、反射マーカが隠れてしまうと計測できず(カメラ2台以上※で見えていない)、また、貼り付けた反射マーカは、体表の動きによるズレが生じることがあるため、正確な骨標点の位置とはならない場合があります。
アニマでは、従来のカメラ計測での問題を解決するために、カメラ計測と9軸センサ(加速度、角速度、地磁気)、2つの計測方式を組み合わせることで、カメラの死角に隠れたマーカまで逃さず計測を可能にした「ハイブリッドローカス」を開発しています。
※カメラの台数によって、反射マーカがカメラ3台以上で見えた時に、三次元化する設定にしている施設もあります。これにより、擬似マーカという、偽物のマーカが出にくくなり、解析し易くなります。
臨床の現場では?
実際の臨床の現場では、カメラは多くても6台(または8台)で、専用の部屋か、リハ室に設置されています。カメラは三脚やポールに設置したり、天井にカーテンレールを取り付け、カメラを固定設置したりしています。
天井に固定設置の場合、計測前準備のケーブル接続等の手間が省け、各ケーブルも邪魔になりません。また、1度、カメラの校正を行えば、カメラが動かない限り校正する必要がありませんので、計測までの準備が簡単です。
一方、三脚を利用した場合は、使用しないときに片付けたり、別の場所へ移動したりして計測することができます。この場合には、カメラの準備と校正作業が必要になります。
このように、施設の状況や使用目的によって設置方法は変わってきます。動作は、歩行などの日常動作を計測しています。術前/術後やリハビリ前後、装具の評価などで使用されています。